コロナ禍を契機にして、リモートでのミーティングは当たり前。この時期は「研修もリモートに」というオファーが増えてきました。
リモートの中でも最も需要が高いZOOMについて、研修をスムーズに行うための視点についてまとめてみました。今回は後半の3つを紹介いたします。
Contents
3 チームでの対応に切り替える
ZOOM研修とリアル研修の一番の違いは「チームで対応する」ということではないでしょうか。
講師が研修会場へ行き、講義を行い、アンケートを集計して帰るということは、ZOOM研修ではできなくなります。
ZOOM研修では講師とともに、最低1名の運営スタッフ(余裕があれば2名)が必要です。
運営スタッフは何をするかというと、技術的なトラブルが発生した時の対応のほか、シナリオを打ち合わせしておき、チャットでの質問の取りまとめや、アンケートやブレくアウトセッションの誘導など、研修が円滑に進行するためには、運営スタッフの存在が欠かせません。
通常の研修でも講師は研修シナリオを作ると思いますが、Zoom での研修ではかなり綿密なシナリオを用意し、運営スタッフと共有する必要があります。
Zoom研修シナリオで必要な項目
- セッション名:このセッションで扱う項目を表示しておきます
- 時間と使用資料のページ数:1つのセッションでの開始時間、所要時間、終了時間を示すとともにそのセッションで使う資料(パワーポイントのページ数。全体の流れを講師と運営スタッフで共有します。
- 個人ワークかグループワークかの表示:ワークを行う際に個人ワークかグループワークかの区分を明示しておきます。また、ワークシートを活用するようであれば、活用するワークシートの番号を記入しておきます。
- ZOOMで活用する機能の表示:チャット、アンケート、ブレイクアウトセッションなど、活用する機能を明示しておきます。
- その他:アンケートで表示してほしいアンケート項目、ブレイクアウトセッション中に各部屋に表示してほしい内容などを運営スタッフに明示して共有します。
シナリオのイメージ
だいたいのシナリオのイメージは下のようになります。
時刻 | 時間 | 項目 | スライドNO | ワーク種類 | ワークシート | チャット | アンケート | BOS | その他 |
9:00 | 0:05 | ZOOM研修の留意点説明 | 1-4 | ||||||
9:05 | 0:05 | チャットの練習 | 5-6 | 〇 | |||||
9:10 | 0:05 | アンケートの練習 | 7 | 〇 | 7ページのアンケート内容を表示 | ||||
9:15 | 0:10 | ブレイクアウトセッションの練習 | 8-9 | グループワーク | 1 | 〇 | ブレイクアウトセッションは12分。3分前に終了表示。強制的にグループ分け | ||
9:25 | 0:10 | 第一章 リーダーの役割 | 10-15 | 講義 |
従来のシナリオにくらべて、かなり詳細なシナリオを用意することが必要になってきます。
研修を見積もる際にも、講師と運営スタッフ1名での料金が標準料金となってくるでしょうし、お客様にその事情を十分に説明することが必要になってくると思います。
4 時間配分をかえる
ライブの研修では1日7時間程度の研修は普通でした。しかし、ZOOMというかリモート研修では4時間から4時間半が上限でないでしょうか。実際に自分が受講していても、4時間程度が集中力の限界のように思いました。
ですので、ライブ研修のテキストをそのまま活用することは無理があります。
前回にも述べましたが、グループワークの時間を短縮したり,パワーポイントの構成を極力1センテンスに抑えるなど資料の大幅な修正も必要になってきます。
また、受講者の心理を考えてペースを変えていくことが必要です。
私の場合で言えば以下のペースで構成を考えるとよいと思います。
1時間に1度の休憩
20分に1度テーマを変える
5分に1度は受講生にも参加してもらう
休憩時間の取り方は問題ないと思います。20分に1度テーマを変えるというのは、1つの講義のかたまり(講義のテーマ)を20分程度にしていって、受講者の飽きを防止するということです。5分に1度は受講生に参加してもらうということは、大体このペースでチャットに書き込んでもらったり、アンケートに回答してもらったり、指名をしたりしながら、受講生の緊張が切れないようなペースを作っていきます。
5 リハーサルは必ず実行
実際に講義を行うと、講師は資料画面を共有したり、ホワイトボードに受講者の回答を書きこんだりなど、講義以外の作業が発生します。また、チャットやアンケートのタイミング、ブレイクアウトセッションのタイミングなど運営スタッフとの連携もぶっつけ本番ではうまくできません。シナリオに沿って、時間・手順を確認することが必要です。また、カメラとパソコンは複数設置することも必要なケースもあります。講師が実際のホワイトボードを活用するのであれば、そこを狙ったカメラが必要になります。また、講師が受講生からどのように見えているかを確認するためにも、パソコンは2台以上での進行をお勧めします。
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